ダノンデサイル
ジャドモンテインターナショナルステークス(G1)ヨーク競馬場
TPDプレビュー(アダム・ミルズ)
ダノンデサイルは、ジャドモンテインターナショナルSに出走する初の日本調教馬ではないが、2019年に8着だったシュヴァルグランや2024年に5着だったドゥレッツァとは異なり、すでに欧州の一流中距離馬を破った実績を持ってこのレースに臨む。そしてレースが近づくにつれ、安田翔伍調教師のスターに対するベッティング市場の信頼はますます高まっている。2024年の日本ダービー馬である彼は、2025年にはアメリカジョッキークラブカップ(G2)とロンジン・ドバイシーマクラシック(G1)も制している。
ロンジン·ドバイシーマクラシック(G1)メイダン競馬場、ドバイ


メイダンでの内容を評価する方法は2つある。ひとつは、ドバイでダノンデサイルの3馬身後ろでゴールしたドゥレッツァと比較する方法だ。ドゥレッツァは昨年のジャドモンテインターナショナルSで5着(10馬身差)に入っており、これが最初のヨークとの比較材料となる。この比較では、ダノンデサイルはまだ差を詰める必要があるが、ドバイでドゥレッツァが接近できたのには理由がある。
シーマクラシックのフィニッシングスピード108.9%は序盤が緩いペースだったことを示しており、ダノンデサイルの勝ち時計2分27秒05が過去4回の同レースより遅かったことからもそれが裏付けられる。ドゥレッツァは好位で運び直線で先行したが、最後の3ハロンでダノンデサイルは0.6秒速く、ラナウトスピードも時速60.9キロを記録。淡々とした流れの中、後方から差し切ったダノンデサイルは、明らかに格上の走りを見せた。
より正確な比較は、TPDデータベースからダノンデサイルとカランダガンを比較する方法だ。フランシスアンリ・グラファール厩舎の看板馬カランダガンは、昨年のジャドモンテインターナショナルSでシティオブトロイの2着だったが、最後の4ハロンで勝ち馬より0.55秒速く、直線で約8馬身詰め、最高速度時速68.0キロを記録。通常であれば勝てるレベルの走りを見せたことから、不運な敗戦だったと言える。もしシティオブトロイがいなければ、カランダガンはヨーク競馬場のジャドモンテインターナショナルS史上最速勝者として名を残していたはずだ。そのカランダガンをドバイで難なく抑えたダノンデサイルは、水曜のレースでも有力視されるのは当然だろう。
ダノンデサイルは最後の3ハロンを10.93秒、10.51秒、11.06秒でまとめ、1馬身1/4差で勝利した。付け加えると、カランダガンは同区間を10.83秒、10.47秒、10.98秒と0.22秒速く走っており、やや進路が狭くなった影響もあったが、フランス馬は追い込みの切れが非常に鋭い馬であり、ダノンデサイルのタイムはその点を踏まえても高く評価できる。
比較として、先に仕掛けたレベルスロマンスはメイダンの直線でダノンデサイルより1.02秒遅かった。世界各地で活躍してきたレベルスロマンスを相手にこの差をつけたことは、安田翔伍調教師と戸崎圭太騎手にとって大きな自信材料となるはずだ。
ストライドの平均は7.80メートルトとカランダガン(7.77メートルト)より長く、レースのピークは残り2ハロンで指示を受けて伸びた時だった。ダノンデサイルは、より長いストライドと、より高い平均最高ストライド頻度(毎秒2.33回)を維持することができた。
昨年のカランダガンのパフォーマンスがほとんどのジャドモンテインターナショナルSを勝てるレベルだったと仮定すれば、ドバイでそれに匹敵したダノンデサイルは、ベストの走りをすればここでも勝ち負けになるだろう。数値的にも、日本が英国に送り込んだ中で最高の馬であり、水曜のヨーク競馬場での走りが待ち遠しい.